2011年 06月 17日

これからの「電気」を考える ④

 2011年6月17日

 「太陽光蓄電独立運転システム」導入への障害について

 これまた前回より随分空いてしまいましたが、今回はぼくが提唱するこのシステム導入に向けての大きな壁となる障害、弊害について書いていきたいと思います。
 ぼくはそれについて大きく三項目に分けられると考えます。

 (1)目玉となる「大容量蓄電池」が研究開発段階であること。

 (2)現行の太陽光発電システムに加えての蓄電池購入は費用がかなり増えること。

 (3)商用電力と太陽光電力との別々の利用に、電力会社のコンプライアンスに抵触する可能性があることや、非常用電源としてではなく常用電源となることから、一軒に二系統の電力供給ラインの交錯の支障が心配されるなどの理由から「供給できません」と言いだす可能性も高い(二世帯住宅に類似したケースと位置付ける可能性もあり)。

 実際に導入可能になったとすれば、もっと細かい障害や弊害が起こるかもしれない可能性はゼロではないにしても、施工上・技術的な問題点はケースバイケースでクリアされると思います。ぼくが現段階で危惧するのは概ね以上の三項目です。とはいってもクリアできない問題は一つもありません。順を追って説明させていただきます。

 項目(1)については、既にシャープ製のもので試作品レベルまで来ているものがあると第一回目の時に紹介させていただきました。ですのでこの点については、時間の問題だと思っております。しかし出来ることならもう2~3社、国内のメーカーで開発していただき性能・機能面や価格面でも競争しうる状況でなければいけないということです。

 そして項目(2)こそが一番の問題で、これこそが普及に拍車を掛けるか掛けないかの大きな障害、弊害になりえます。今のところぼくが想定する蓄電池の価格は250~300万。
これは確かな情報でもありませんが、既存の小容量の蓄電池や交流変換器の相場価格から概算し、また搭載する制御機などがパック化されるとなると、やはり現段階はこれくらいの価格は想定されます。とはいえそこからの2~3割程度、価格が落ちたところが一つの目安になろうかと思います。個人的な希望からすれば、他メーカー各社の競合で150万円ほどで手を打っていただきたいところではありますが、いずれにしても導入に際しては高額であることには違いがありません。太陽光発電システムが同等程度の価格で推移しているのを見れば、設置工事込みでも500万円という金額が容易に想像できるわけです。
 これらを全て個人負担で購入と言うのは、現実的には数パーセントも普及しないことは目に見えております。ですのでここは国の支援が絶対条件になってくるわけです。これまでの太陽光発電導入に対するような補助金制度ではなく、リースシステムに対する支援策です。現状の補助金制度は事実上全くの無意味であるとぼく個人は感じています。
これはあくまでぼくが個人的に考える例ですが、家庭に設置される蓄電池は国からのリース品とし、8~10年ほどで国が引き取りメーカーが回収しリサイクルしてまたリース品として貸し出すシステムとします。個人負担となるリース料は月1~1.5万円。つまり前回にお話しした電気代が下がった分(2~3万円)より若干下げて充当した金額にするわけです。そして現状の補助金制度は撤廃です。なぜならその現状の紐付き補助金制度では家庭毎において、日照条件において、適切な発電量を確保する設備を設けることが事実上不可能だからです(工事金額上限が設定されているため)。太陽光パネルを最低レベルで試算してある国の制度では、日照条件の悪い地域や屋根面積の少ない住宅では絶対的な発電量が足らないのが現実で、いい条件の地域・住宅ではさらに補助金が得られるというのは公平ではありません。どのような条件下であっても国の制度は平等でなければならない観点からも、家庭用蓄電池を設置しその容量によってのリース金額設定が一番分かりやくすく平等です。太陽光発電パネル設置自体の個人負担は100%となってしまいますが、かえってその方がハイスペックなパネルが市場競争によりどんどん安くなる傾向になることは間違いがないのです。
 国が蓄電池流通についての管理の一端を担うメリットは非常に大きいと考えます。
なぜならまず品質が一定になること。国が認めたメーカーのみリース可能となれば、粗悪な商品の氾濫や悪質な訪問販売による詐欺まがいの犯罪も防止でき、リサイクル回収・処分においても不法改造や不法投棄を監視できることが挙げられます。そしてメンテナンス業務についても委託することで雇用も促進できます。
 このような面を考えても国の介入は、新しい枠組みとして必要不可欠といえますし、一般家庭で安心して投資、導入できるシステム造りこそが短期で大幅に普及できる鍵となります。費用対効果プラス「安心」が絶対条件といっても過言ではないと考えます。そこを国が担うわけです。

 そして項目(3)ですが、目先この電力会社のコンプライアンスは大きな壁となりえます。しかし、国が上記のように本格的にこの策に乗り出せば、問題は全てクリアされると言えます。特に今原発問題に揺れる電力を取り巻く世論があれば、自ずと電力会社自体が推進せずにはいられない状況になるでしょうし、電力事業に新しく孫社長率いる「自然エネルギー財団」が参画してくるとなれば、電力会社もそれに傾倒していくしかないと考えます。少し乱暴な想定をすれば電力会社の収益は半分になるかも知れませんが、これまでの政治への外的介入や利権争いによる軋轢は大幅に縮小されるでしょうし、それこそが新しい「自然エネルギー大国、日本」のあるべき姿ではないかと思います。
 いずれにしても目下危惧する問題であったとしても、将来的にはその流れの中で解消されていくと思っております。

 ぼくの提唱する「太陽光蓄電独立運転システム」導入にはそれなりの費用は嵩みますが、国のシステム支援実行で、その費用に対する効果・メリットはデメリットを大きく上回り、そして何より安心がプラスされることが非常に大きな特徴といえます。

 この度の「震災被害」は教訓として、新らしい日本を作り上げる切欠としなければなりません。被害地域の復興は第一として当然ですが、どうせ生まれ変わるなら強くならなければ意味がない。

 ぼくは強くそう思います。


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by silvadog | 2011-06-17 09:50 | 電気屋として


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