2009年 10月 31日

ときどき飛騨 #25

 2009年10月31日

 乗鞍岳山麓より高山を望む。

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 ここはつい最近、TVのニュースでも話題になった、熊が出てきて人を襲った乗鞍岳山麓。

 あの事件以来、熊が出没したという話は聞かないけど、あの事件の翌日、ここで不思議な光景を目にした。
 それは、深夜のこと。 ぼくは晴れ渡った星空を撮影しに、そんな事件のことも一切頭になくここに向かった。 雲も霞もなく絶好の状況と思い外灯一つないこの山道を車で走りながら、民家が途切れた辺りまで来たところで、道端にニホンカモシカと遭遇。 ここでニホンカモシカに遭遇することはそれほど珍しくもない。 ただそれは日中のこと。 こんな深夜に遭遇するのは初めてで、ヘッドライトに照らされたカモシカの顔は恐ろしく不気味。 暗闇に白い顔が浮き上がり、目が緑色に光る。 背筋が凍るような見てはいけないものを見てしまった感覚に囚われながら車を進める。 しばらく進むと、また白い仮面が光る。 今度は二頭。 恐怖に慄きながら、ある種の強迫観念が体を支配し始める。 しばらく進む。 また一頭。 今度のはでかい。 立派な角があり、道端でじっとこちらを逃げることなく見つめている。 「帰れ。」 そう言ってる。 間違いなくぼくはこの山に受け入れられていない。 さっきまで絶好の星空撮影状況だった山肌に霧が降りて来ていた。 霧はどんどん深くなり、ついには全く先が見えないほどに。 途中、カモシカ以外にも、イノシシ、テン、うさぎ、たぬき(もしくは、むじな)を目にした。 異常だった。 間違いなく異常だった。 さすがに珍しくもないにしても、これほどの野生の動物が、民家近くの麓に出てくることはない。前述の熊の行動も異常だが、その熊を追い立てた猟友会の探索で、山がざわついていたことは確かだった。 結局、霧は晴れず星空は見えず、車から降りることなく帰宅した。

 あのまま霧も出ず夢中で写真を撮ってたら?

 考えすぎかもしれないけど、自然の中には人間が忘れてしまった何かがあると思う。
 んでも、それが証拠に、あれ以来何回となく深夜ここに来ているけど、あの時のようにたくさんの動物たちを目にすることはない。

 山に入る時は、熊よけの鈴を付けましょうw



 で?  っていう話でした(笑)

 おしまい

by silvadog | 2009-10-31 09:56 | ときどき 飛騨


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