2010年 06月 08日

台湾ラーメン

 2010年6月8日

 先週ブログで書いた、「旬亭なか川」で、シェフてるちゃんと、高山のおいしいお店はどこ?談義に花が咲き、期待大な情報をいくつか入手。 もちろん、あれだけの腕前を持つだけに、舌の完成度も高いのは疑う余地もなく、シェフのおすすめとあれば行かないわけには行かない。 ってなわけで、先週の日曜に早速w

 ぼくは随分前からここ飛騨高山に住んでいて疑問に思うことがあった。
 それはなぜ、「飛騨高山ラーメン」が、あんなにも有名なのか?ということ。
 最近ではすっかり、飛騨高山といったら、「飛騨牛」というのが定番になっているけど、それ以前の定番は、「飛騨高山ラーメン」。 ラーメンというより、中華そば。 なんであんなにも有名なのか?というと知らない人には、へ?って感じかもしれないけど、一時期のラーメンブームでは、テレビでもグルメ雑誌でも結構取り上げられ、高山ラーメンを紹介しているグルメ雑誌を片手に、このラーメンだけを目当てに高山を訪れる方もかなり見受けられた。
 しかし、実際に食べた人の評価を聞くと、賛否両論。 いや、どちらかといえば、絶賛でもなく、「美味いよね。」止まりか、期待はずれといった人の声が多い。 高山に住んでいて、当たり前のようにこの中華そばを食べているぼくからしてみると、その賛否両論の低い評価はごく当たり前に感じる。 それはなぜかと言えば、高山ラーメンそのものが固定した味ではなく、店によってかなりの差があって、住んでいる地元の人間でも、どこが一番美味いかと聞かれれば、好みの問題だからと前置きしないと答えられない。 事実、ぼくが一番美味しいとおすすめする、「角鈴」というラーメン屋さんは、「高山ラーメン(中華そば)」より、「カレー中華」の方が有名だったりして、ここのシンプルな中華そばが美味いという人はあまりいない。逆にぼく個人、「やよい」、「つづみ」、「豆天狗」といった高山を代表する有名店の味はタイプじゃない。 誤解をされても困るので補足をしておくと、決してそこが不味いということではなくて、ぼくの口のタイプではないということ。 もしかすると、地元の人間には不評でも、よそから来た人には大好評ということもあるのかも知れない。 いずれにしても、好みという点において、その店の味については賛否両論分かれることは容易に想像もできる。 しかし解せないのが、「飛騨高山ラーメン」がなぜそこまで有名になったのか?だ。

 そんな談義の中、てるちゃんがすすめたラーメンは、実に予想しなかった場所にあった。

 高山グリーンホテルの9階にある、「天京楼(てんきょうろう)」の台湾ラーメン。

台湾ラーメン_a0111190_10124387.jpg


 あのてるちゃんのおすすめとあれば、食べないわけにはいかない。
 不味いわけはなく、どんなに美味いのか?

 期待に胸を膨らませ、着いたホテルの9階の中華レストラン。
 ちょうどそこでは、チャーハンのランチフェアが開催中で、チャーハン一色のランチメニュー。
 彩られたチャーハン各種には目もくれず、一心不乱にラーメンを探す。

 ない? ないぞ? ラーメンのラの字も見当たらない。 おかしい、場所を間違えた?

 ぼくのお腹はすでにラーメン一色、ラーメン以外は受け付けないぞと胃が叫ぶ。
 すぐに通りかかったウェイターに声を掛け、問いただす。

 「ヘイ! ウェイター! ここのラーメンが物凄く美味いと聞いてやって来たんだが、メニューに載ってないじゃないか! 一体どうなってるんだ!」 ぼくは何故だか片言に英文丸訳しのように捲し立てた。
 ウェイターがにこやかに言う。

 「大丈夫ですよ、お客様。 当店自慢の台湾ラーメン、ちゃんとございます。 メニューには御座いませんがお出しできます。」

 ホテルのウエイターらしく、その応対はとても丁寧で好感が持てた。
 注文を終え、その対応に気を良くしたぼくは、少し落ち着こうとロビーに出てタバコをふかす。
 しばらく9階から見える飛騨高山の風景に落ち着きを取り戻したところで、さっきのウウェイターが飛んできた。 「お客様、ご休憩のところ誠に恐縮で御座いますが、先ほど注文いただいたお料理が出来上がりました。 何卒、熱いうちにお召し上がりくださいませ。」

 込み合った店内では、皆がチャーハンを注文し、ごった返していて忙しいはずなのに、メニューにないラーメンを注文したわがままなぼくにそこまで気を使ってくれるのか! ここまでされて嬉しくない客はいない、「あ、ありがとう。」と小さく感謝し、ラーメンに直行。

 美味い!! これは美味い!!

 スープはシンプルなしょう油ベースに、具はニラともやし、そして挽肉。 歯ごたえのある極細の麺。 そしてなんといっても台湾ラーメンらしいのどを透き通るピリッとした辛さ。 爽やかで濃厚!!

 美味い、これは美味い!! 最高に美味い!!!!

 以前、ぼくはこのブログに名古屋で食べた、「鴨ラーメン」が美味いと紹介したことがあったが、同率? いや、それを凌ぐほど美味い!! この台湾ラーメンは、これまで食べてきたラーメンの中で、一番!!

 本当に美味い!!!!!!

台湾ラーメン_a0111190_1042347.jpg



台湾ラーメン_a0111190_10423671.jpg

 *写真、雑ですいません(汗)


 完食したのはそのスープ一滴すら残したくなかったのもあるけど、なんとかその感激度合いを口ではなく、形にしてそのウエイター、シェフに伝えたかったから。 本当に美味いものとは、料理だけでなく、その店の対応にもあって、また来たい、食べたいと思わせるか否かだと心から思った。

 「ありがとう、また、来ます。」と感謝をし、エレベーターまで送ってくれたあのウエイターに別れを告げた。
 その笑顔は、本当に嬉しそうで、どっちが客なのか分からなくなるくらいだったけど、多分彼もまた、あの台湾ラーメンの大ファンなんだろうと思う。 同じ料理を同じように美味しいと食べたぼくを同士のように感じ、あるいは呼応するものがあったのかも知れない。

 ぼくはまた近々それを食べに行こうと思う。
 そしてまたあの笑顔に、今度はちゃんと感謝の言葉で伝えたいと思う。



 ん。
 



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by silvadog | 2010-06-08 11:09 | グルメ


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